各種健康診断・人間ドック
各種健康診断・人間ドック
健康診断は、ご自身の健康状態を知り、深刻な病気を予防していくための有効な手段です。とくに症状がないから大丈夫と思っていても、生活習慣病をはじめとするほとんどの病気は自覚症状がないまま進行していきます。症状が出て気づいたときには重症化していたということがないように、定期的に健康診断を受けましょう。
当院では、生活習慣病健診をはじめ、法定健診や特定健診(健康診査)などを受け付けております。また、健診結果に関するご相談も承っております。結果は出たけれどこれからどう対応していけば良いか分からないという方や、病気に関して疑問のある方も、お気軽にご相談ください。
基本的な身体測定や血液検査、X線検査、心電図検査など、法定健診(労働安全衛生規則第43条・第44条)に基づいた内容の一般健康診断です。所要時間は1時間程度です。
『定期健康診断』は、労働安全衛生法により企業に対し「1年に1回定期的に行わなければならない」と義務付けられている健康診断です。50人以上の労働者を雇用する場合は、その結果を所轄労働基準監督署に報告する必要があります。
『雇入れ時健康診断』は、企業の新規・中途採用時や、個人の方では就職・転職の際など、急な健康診断が必要になった場合にご利用いただけます(指定検査項目や所定用紙がある場合は、ご予約時にご相談ください)。会社(職場)や学校などに提出するための健康診断です。
国民健康保険に加入している40~74歳の方を対象に、年1回の特定健康診査が実施されています。この健康診査は、「生活習慣病」を早い段階から予防するために、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した検査が中心となっています。健診結果でリスクがある方には、生活習慣をより望ましいものに変えていくための保健指導が実施されます。補助内容の詳細については、市区町村やご加入されている健保組合などにご確認ください。
対象となる方には受診券(案内等同封)が個別送付されています。受診券と、その裏面の問診票に必要事項をご記入のうえ、保険証と併せて当院にご持参ください。
人間ドックは、生活習慣病をはじめ自覚症状のない病気を早期に発見することが大きな目的です。通常の健康診断と比べて、より多くの臓器を対象に詳しい検査を行うため、様々な角度から総合的に体の異常を調べることができます。
多くの疾患は、早期に自覚症状はなく、症状が現れた時にはすでに病状がかなり進行していたというケースも少なくありません。早期発見、早期治療の重要性を理解し、定期的に体の総点検をしましょう。
人間ドックのオプション検査とは、基本検査項目に加えて任意で追加できる検査のことです。基本検査項目は、幅広い年代の方に受けていただけますが、年齢や性別、生活習慣によって発症しやすい疾患が異なり、基本検査項目だけでは網羅できない疾患や、発見が非常に難しい疾患があります。これらを補う意味で各疾患や臓器に照準を定め、より精度の高い検査をオプション検査としてご案内しています。
次の3つのポイントを目安にオプション検査をご検討ください。
1つ目は、気になる症状や臓器に応じた検査の選択です。体調や生活習慣を振り返り、必要と思われる検査を洗い出します。たとえば、喫煙習慣がある方は動脈硬化や胸部CT検査、月経や不正出血が気になる方は子宮頸がん・子宮体がんなどの検査、というように特定の部位の検査を追加していきます。
2つ目は、年齢・性別による選択です。男女ともに年齢によって受けた方が良い検査がそれぞれあります。
3つ目は、三親等以内の方の既往歴を元に選択します。遺伝リスクや食事・生活習慣など同一の環境下で暮らすことによるリスクから病気の有無を調べます。たとえば、三親等以内に、胃がんや大腸がんにかかった人がいる場合、胃・大腸内視鏡検査を追加するなどです。
検査項目 | 検査内容 |
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問診 | 自覚症状など健康状態を問診することで、病気の早期発見につなげます。 |
身体測定 | 身長と体重を測定し、主に肥満の有無を判定します。 標準体重は「身長(m)×身長(m)×22」で求めることができます。 |
腹囲 | へその高さで呼気時に測定します(立位)。腹囲は内臓脂肪の量と関連します。 |
BMI | BMI(Body Mass Index)は「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で求めることができます。 標準値は22で、25以上は肥満になります。 |
血圧 | 高血圧を放置すると、脳卒中など動脈硬化性疾患のリスクとなります。 病院での測定値(診察室血圧)の定義は、 高血圧:140/90mmHg以上 正常血圧:120/80mmHg以下 です。ご自宅での測定値(家庭血圧)と若干異なります(家庭血圧は診察室血圧より5㎜Hg程度低くなります)。 |
血液検査 | 血液に含まれている抗体や酵素、細胞などを数値化し、病気を診断したり、リスクを見つけたりします。主に貧血、肝臓の異常、腎臓の異常、高脂血症や糖尿病などの病気の発見につながります。 血液算定:赤血球数/白血球数/ヘマトクリット/血色素/平均血球容積/平均血色素/平均血色素濃度/血小板 代謝系:血糖(空腹時)/HbA1c/中性脂肪/総コレステロール/HDLコレステロール/LDLコレステロール/尿酸/カルシウム 肝機能:GOT/GPT/アルカリフォスファタ-ゼ/LDH/γ‐GTP/総ビリルビン/総蛋白/アルブミン/A/G比/ZTT 腎機能:尿素窒素/クレアチニン |
尿検査 | 尿検査では主に、尿蛋白、尿糖、尿沈渣、尿潜血、PH(水素イオン濃度、ウロビリノーゲン、尿比重について調べます。 尿蛋白は腎臓や尿路系の病気、尿糖は糖尿病関連、尿潜血は結石や膀胱炎、ウロビリノーゲンは肝臓の病気の発見に役立ちます。 |
便潜血検査(消化管大腸検査) | 大腸がんの早期発見を一番の目的とする検査で、便を2回とり、便に混じる微量な血液の有無を調べます。陽性の場合、主に消化管の出血性の病気や、大腸ポリープ、大腸がんなどが疑われます。2回のうち1回でも陽性ならば、大腸内視鏡検査が行われます。 痔や生理なども陽性になることはありますが、大腸内視鏡検査によって、大腸がんやポリープなどからの出血なのかを詳しく確認できます。 |
視力検査 | 肉眼で見える裸眼視力と、眼鏡などを使用したときの矯正視力を調べます。また、物が見えづらい、二重に見える、左右の視力バランスが悪いといった屈折異常(遠視、近視、乱視など)の検出も行います。 |
聴力検査 | 低音域(1000Hz)と高音域(4000Hz)の聴力を調べます。左右別々に低音域から高音域まで、極めて小さな音から5dB(デシベル)ずつ大きくしていき、初めて聞こえたときの音の大きさが聴力として示されます。この数値が小さいほどよく聞こえることになります。 低音域、高音域ともに30dB以下で聞こえれば異常はありません。ただし、加齢によって聴力は低下していきますので、ご高齢の方では40dB程度聞こえれば異常なしと判定されることもあります。 |
胸部X線検査 | 胸部にX線を照射し、正面と横方向から深吸気時に撮影します。肺がんの早期発見が一番の目的ですが、肺炎、肺結核、肺気腫、胸水、気胸など様々な呼吸器疾患の発見にもつながります。妊娠中、または妊娠の可能性がある方は、胎児への影響が心配されますので事前にお申し出ください。 |
胃内視鏡検査(胃カメラ) | 口や鼻から先端にCCD(電荷結合素子)カメラが搭載された内視鏡を挿入し、上部消化管(食道・胃・十二指腸)を直接観察できるため、X線検査に比べて微小な病変の発見に優れています。 検査では必要に応じて、病理診断用の組織を採取(生検)します。 |
心電図検査 | 心臓の動きに伴う電気的な変化を波形(グラフ)として記録し、その波形から心臓の状態を把握する検査です。心臓の収縮するリズムの乱れや心筋の虚血の有無などが波形に表れ、心筋の血液循環の不良や壊死、不整脈などがわかります。 心電図検査は、様々な不整脈、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、心肥大、心筋症、心不全、心膜炎、心房細動などの診断に有効な検査です。 |
腹部エコー検査(腹部超音波検査) | 腹部の体表面に超音波検査用ゼリーを塗り、プローブをあてて、腹部を検査します。肝臓、腎臓、胆のう、すい臓など各臓器の形状や、腫瘍、結石、脂肪肝の有無といった様々な情報が得られます。 |
呼吸機能検査 | 大きく息を吸ったり吐いたりして、息を吸う力、吐く力、酸素を取り込む能力などを調べます。 年齢、性別、身長から算出された予測肺活量(標準値)に対して、80%以上が正常となります。79.9%以下では肺のふくらみが悪いことを意味し、肺線維症や間質性肺炎などが疑われます。 |